毎日のスキンケアやメイクで、化粧品をどこに塗っていますか?
お肌ですよね。
化粧品を塗っているのは、肌の中でも一番外側の「表皮」なのです。
肌悩みが起こりやすいのも表皮。
化粧品中心の美容のお仕事をする場合は、表皮の役割や仕組みをしっかり理解する必要があります。
この記事では、表皮についての検定対策ポイントだけではなく、よりハイレベルな知識を身に着けられるようテキストに載っていない情報も掲載しております。
試験対策のためには特に「検定ポイント」の吹き出しの項目を、
資格を取って美容業界で活動したい方は、「鉛筆マークの緑のボックス」をしっかり読んでくださいね。
※テキストの内容をそのまま記載しているわけではありませんのでご注意ください。
表皮の構造としくみ
皮膚は、私たちの身体全体を覆っている人体最大の臓器です。
皮膚は、大きく分けると、3つの層から成り立っています。
外側から、「表皮」「真皮」「皮下組織」です。
私たちが普段から見たり、スキンケアをしているのは、表皮という一番外側にある層です。
表皮の構造
表皮は、ほとんどが角化細胞で構成されており、 平均約 0.2mmほどの厚さです。
角化細胞は表皮の一番下にある基底層の細胞(基底細胞)から生まれ、細胞自体が成長しながら表皮を構成しています。
基底細胞から生まれた角化細胞は、最初に有棘細胞となり、顆粒細胞、角層細胞へと成長します。
それぞれの細胞がある層を、基底層、有棘細胞、顆粒細胞、角層と呼びます。
角化細胞は、お魚のブリのように、成長とともに名前が変わります。
それぞれの層の詳しい説明はこの記事の後半でお伝えします。
表皮の重要な機能
表皮の最も重要な機能は、この2つです。
表皮、特に一番外側にある角層では、NMF(天然保湿因子)や角質細胞間脂質、皮脂膜のおかげで水分を保持することができます。
特に、細胞間脂質が作り上げる水と油の層「ラメラ構造」によって、内部(体)から水分が出ていこうとするのを防ぎ、外部から異物が侵入するのを防ぎます。
NMF(天然保湿因子)とは
Natural Moisturizing Factor の略。
主な成分はアミノ酸で、その他PCA、乳酸ナトリウム、尿素などの保湿成分が集まったもの。
ケラトヒアリン顆粒の中にあるタンパク質が角層で分解され、NMFとなります。
細胞間脂質とは
水となじみやすい部分(親水基)と、油となじみやすい部分(親油基)の両方を持っている脂質。
角質細胞間脂質とも呼ばれています。
角層細胞と角層細胞の隙間を、細胞間脂質が規則正しく並ぶことで水の層と油の層が交互に何層にも重なっています。
この構造のことをラメラ構造といい、強力な水分保持・バリア機能を果たしています。
皮脂膜
汗と皮脂が混ざりあったもの。
皮脂の成分であるエモリエント成分や、汗の成分である水分、塩化ナトリウムなども含まれています。
お肌表面の柔軟性を保ち、保護作用を高める役割を果たしています。
バリア機能、天然保湿因子、細胞間脂質、皮脂について詳しくはこちらをご覧ください。
表皮がもつ防御機能
表皮には、異物の侵入を物理的に防ぐバリア機能の役割、水分保持の役割以外にも、体を守る働きが備わっています。
ランゲルハンス細胞による、免疫機能
皮膚に異物の侵入が確認されると、リンパ節に伝えてアレルギー反応を起こし、侵入被害を取り除く働きをしています。
メラノサイトによる紫外線防御機能
基底層には、樹枝状突起をもったメラノサイト(色素形成細胞)が点在しています。
肌が紫外線などの刺激を受けると、「メラニンを作れ」という情報をメラノサイトに伝え、メラノサイト内で酵素チロシナーゼが活性化し、メラニンが作られます。
メラノサイト内には、メラノソームというラグビーボールのような形の袋があり、その中でメラニンは作られます。
作られたメラニンは周りの角化細胞に送り込まれます。
黒褐色のメラニンは、紫外線を少し遮断する効果があります。
そのため、メラニンが送り込まれた角化細胞では、核の上(外側)に傘のように集まり、紫外線によって皮膚の細胞(の核)が損傷しないように守っているのです。
表皮は、私たちの体が外界と接している部分なので、体を守る大切な機能がたくさん備わっていますね。
ターンオーバー
表皮を構成する角化細胞は、基底層で基底細胞が分裂することで生まれます。
次々に新しく生まれるので、どんどん上(体の外側)に向かって押し上げられていき、有棘細胞、顆粒細胞、角層細胞と変化しながら、最終的に垢となってはがれていきます。
この、表皮の生まれ変わりをターンオーバーと言います。
私たちは、古く機能の衰えた盾(細胞)を捨て、常に新しい盾で体を守っているのです。
約28日間かけてターンオーバーが行われることで、しっかりバリア機能を持った角層が作られます。
早すぎても、遅すぎても、バリア機能が低下してしまいます。
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ターンオーバーが乱れる原因
- 加齢
加齢とともに基底細胞自体の機能が低下するため、年齢とともに遅くなる。 - 紫外線・肌荒れ
紫外線によるサンバーンや、肌荒れを起こしている場合は、ダメージを早く回復しようとしてターンオーバーのサイクルが早まる。
表皮の層・細胞について
表皮は、基本的に4つの層から成り立っています。
細胞が生まれる順に(内側から順に)、基底層、有棘層、顆粒層、角層です。
それぞれの層の細胞のことを、基底細胞、有棘細胞、顆粒細胞、角層細胞と言います。
それぞれの層・細胞について詳しく説明していきます。
基底層【角化細胞の誕生】
表皮の一番下にある層。 縦長の基底細胞が一層に並んでおり、基底細胞が分裂することで新しい角化細胞を生み出します。
メラノサイトはここにあり、紫外線から体を守る色素 (メラニン) を合成します。
有棘層【角化細胞の成長】
基底層の分裂で生まれた角化細胞は、最初に有棘細胞となります。
有棘細胞の外面には多くの突起が見られ、 細胞と細胞が棘で結ばれているように見えます。
有棘細胞は、真皮内の血管・リンパ管から基底膜を通過して能動輸送・受動輸送された酸素や栄養を受け取ります。
また、角層や顆粒層を構成するタンパク質も合成されています。
ランゲルハンス細胞もここにあります。
顆粒層【細胞人生を終えバリアを作るための終活】
角層のすぐ下にあり、 2~3層の扁平な形をした細胞からなる層。
顆粒細胞はタ ーンオーバーにより角層に変化します。
その過程でケラト ヒアリンとよばれる顆粒が出現します。 顆粒を構成する パク質が角層で分解され、 生成したアミノ酸が NMF の主成分となり、皮膚の保湿に役立っています。
角層【死んでもなお体を守る盾】
表皮の一番外側にある層で、 角層細胞が10〜20層重なっています。
顆粒細胞から角層細胞になる過程 で核が失われます。
NMF(天然保湿因子) や細胞間脂質などのバリア機能の働きでうるおいを保ち、皮膚を乾燥から守 っています。 表面には皮脂と汗が混じりあってできた皮脂膜があり、外部から受ける刺激から皮膚を守る役割をしています。
長時間お風呂に入っていると、手のひらや足の裏はふやけるけど、他の皮膚はふやけにくいですよね。
そのことからも、手のひら・足の裏と、他の部分では少し皮膚が違うことが分かります。
補足:基底膜【表皮と真皮の境界】
基底膜は、表皮と真皮の境目に存在する、わずか0.1マイクロメートル(μm)の薄い膜です。
若く弾力のある肌の基底膜は、はっきりとした凹凸がある曲線で、表面積が大きいのが特徴です。
そのため、伸びちぢみがよく、弾力性があります。
一方、老化すると基底膜も扁平になり、弾力がなくなってきます。
基底膜の役割
【まとめ】化粧品検定2級の対策ポイント
表皮は、スキンケアやメイクをするうえでとても重要な部分です。
化粧品検定2級には、肌悩みについてのパートもあります。
特に表皮の構造についてを学ぶことで、肌悩みについても理解しやすくなります。
表皮の単元では、特に下記のポイントは最低限答えられるようにしましょう。
この記事では、基本的な知識の解説をしておりますが、テキストもご活用ください。
化粧品検定2級の内容を詳しく学びたい方は、こちらもご利用ください。
マンツーマンですので、苦手なところ、覚えにくいところを、受講者のご希望に合わせて重点的にお話しさせていただきます。
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